知っておきたい外壁塗装の基礎知識「下塗り」|プライマーやサビ止め塗料の必要性
塗装工事のお役立ちコラム外壁塗装劣化症状について外装劣化診断
2024.06.24 (Mon) 更新
地域密着、丁寧施工がモットーの
代表取締役の中山です!
外壁塗装には、いくつかの工程があるということを御存知ですか?
- 洗浄
- ケレン
- 下地補修
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
塗装工程だけでも、この6工程は必ず行われるのです。そして、それぞれに大きな役割を持っているということを覚えておいてください。
しかも、最終的な上塗り工程を最高の状態で仕上げるためには、前段階がどれだけ細かく丁寧に行われているかによって決まるため、全ての工程で手を抜くことはできないのです。
実際の塗装工程として見たとき、初めに行われるのは「下塗り」です。
今回のお役立ちコラムでは「下塗りの必要性と種類」についてご紹介したいと思います。
▼合わせて読みたい▼
外壁塗装の「上塗り」とは?|中塗りとの違いとトップコートの必要性
下塗りとは
結論からお伝えすると、下塗りとは「ノリ付け」工程です。どんな素材の外壁であったとしても、確実に塗料を乗せるために必要な工程になります。
そして、下塗りに使用される材料には3種類存在することを覚えておきましょう。
- プライマー
- シーラー
- フィラー
それぞれの特徴についてご紹介します。
プライマー
基本的な外壁塗装で使用される下塗り材の中で、最もポピュラーなのが「プライマー」です。プライマリーを語源としていることからも「初めに塗る」ということがわかる材料と言えるでしょう。
外壁材に多少の凹凸があったとしても、プライマーで下塗りすることで滑らかな状態にできるのです。厚塗りしすぎてしまうと、外壁に施されている意匠が消えてしまうほどフラットにすることもできます。
一般的には厚塗りせず、外壁面を均一に慣らすように塗り上げていきます。これによって、塗装が乗りづらい外壁材だったとしても、確実に塗料が乗るようになるわけです。
滑らかな状態と表現しましたが、プライマーを塗った表面は塗料が噛みやすいようなザラザラとした状態で仕上がります。
ちなみに、全ての下塗り材の総称としても「プライマー」と言う言葉は使われているので、依頼時に下塗り材の名称がわからなくても問題はありません。
シーラー
下塗り材としては、プライマーもシーラーも大きな差がある材料ではありません。しかし、特性は若干違うので、しっかりと使い分けはされているということを覚えておきましょう。
まず、プライマーは「外壁表面に乗せる」下塗り材です。この特性から、ほとんどの外壁材の表面に高い密着性を付与することができるのです。
一方、シーラーは「染み込みやすい外壁材の吸収力を目止めする」ことができる下塗り材になります。
「Seal」を語源としていることからも、塞ぐことを得意としていることがわかるでしょう。
質感でいうと、プライマーは「シャバシャバな液体」で、シーラーは「粘性がある液体」という感じになります。そのため、プライマーでは染み込んでしまうような場合でも、シーラーを使用すれば目止めができるというわけです。
シーラーが得意とする外壁は、以下のような外壁材です。
- モルタル壁
- 石膏ボード
- コンクリート壁
これらの外壁材は塗料が染み込みやすく、しっかりと目止めをしないと何度も塗り直さなければならなくなるのです。それだけではなく、塗料が染み込んでしまうと外壁材はどんどん脆くなってしまいます。そのため、しっかりと目止めをすることで外壁材の強度を確保するという役割も併せ持っているのです。
フィラー
フィラーは、特性的には「シーラー」に近いです。ただし、効果としてはシーラーよりもかなり強めなので、目止め効果は圧倒的にフィラーの方が強力だと言えるでしょう。事実、フィラーは他の下塗り材よりも粘度が高く、どんなに粗い外壁材だったとしても、確実に目止めが行えるのです。
例えば、軽石のように完全に穴のような状態でも、フィラーであればある程度の深さまで入り込んだ時点で、それ以上入り込むことをやめてロックできます。完全に効果したら、そこは確実な塗装面として生まれ変わることができるでしょう。
この特性から、フィラーという呼び方だけではなく「サフェーサー」という呼び方もされるほどです。下塗り材というよりも、もはや「下地調整材」です。塗装面を慣らす効果以上に、ひび割れや凹凸を完全に埋め尽くすことに特化した下塗り材なので、パテを吹き付けているような感覚で使用することができます。
フィラーの成分には以下のようなものが含まれています。
- 顔料
- 骨材
- セメント
これらによって、溶剤の粘性が高まっています。
下塗りが必要ない塗料はない?
弊社が取り扱っている塗料の中では、アステックペイントの塗料に、下塗り不要で強力な密着力を発揮してくれるものが用意できるので、こちらをご紹介しましょう。
下塗り材は、塗料の密着性を上げるために必要な材料なので、とても重要な工程になります。しかし、確実な密着力を発揮してくれる上塗り材であれば、この工程を省くことができるのです。
シャネツトップワンSi-JY
シャネツトップワンSi-JYは、下塗り材不要の高密着塗料になります。その名の通り「遮熱性」が売りの塗料で、ローコスト塗料としても人気です。
シャネツトップワンSi-JYがローコストで提供できる理由は、下塗り工程を省くことができるのと、使用している樹脂がシリコン樹脂だからという理由になります。
フッ素塗料だった場合、一気に価格アップしてしまうでしょう。
屋根にも外壁にも使用できる塗料なので、トータルコーディネートがしやすいのもポイントです。
【製品データ】 ◯荷姿…16kgセット(A液:13.6kg、B液:2.4kg) ◯塗布量…0.24~0.32kg/㎡ ◯希釈…:屋根/0~2.1ℓ、外壁/0~0.8ℓ(アステックシンナーDX) ◯艶…艶消 ◯色…アステック標準色18色限定 【対応素材】 金属屋根(カラー鋼板※・ガルバリウム鋼板・ステンレス・アルミニウム)・金属サイディング(カラー鋼板※・ガルバリウム鋼板・ステンレス・アルミニウム)・各種旧塗膜 ※フッ素鋼板は除く 【JIS規格】 ■JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料 『容器の中の状態』『表面乾燥性』『塗膜の外観』『日射反射率』『耐おもり落下性』『鏡面光沢度』『耐酸性』『耐アルカリ性』『耐湿潤冷熱繰返し性』『促進耐候性』 全て合格 ※社内試験による ■JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント 『サイクル腐食性』 合格 ※社内試験による |
REVOトップワンF/Si
アステックペイントの高性能塗料の中でも、価格据え置きで使用することができる「REVOシリーズ」からも、下塗り材が必要ない塗料ができました。
しかも、こちらはフッ素塗料とシリコン塗料の両方が存在するため、ローコストとハイパフォーマンスの選択がしやすいのがおすすめポイントとなります。
ただし、REVOトップワンの得意とする外壁は「サイディング」なので、他の材料に対してはあまりおすすめはしません。
◯荷姿…15.15 kg セット (A液 15kg、B液 0.15kg) 3.03 kg セット(A液 3kg、B液 0.03kg) ◯塗布量…0.25~0.35kg/㎡ ◯希釈…ローラーの場合:0~ 5%(清水)エアレスの場合:5~10%(清水)※15.15kg1セットあたり ◯艶…艶有・3分艶 ◯色…アステック標準色69色 ■JIS規格 ■JIS K 5660 つや有合成樹脂エマルションペイント 『容器の中での状態』『塗装作業性』『塗膜の外観』『低温安定性』 『表面乾燥性』『隠ぺい率』『鏡面光沢度』『耐水性』『耐アルカリ性』 『耐洗浄性』『耐湿潤冷熱繰返し性』『耐候性B法』 全て合格 ■JIS A 6909 建築用仕上塗材 『可とう性』 合格 ■『防かび性』 合格 ※社内試験による(参考試験方法:JIS Z 2911 かび抵抗性試験方法) ■『防藻性』 合格 ※社内試験による |
下塗りで使うサビ止め塗料とは
塗料を密着させるだけが下塗り材の役割ではありません。サビ止めや防カビなども下塗り材の役割です。
特に、サビ止め塗料は金属材料の劣化を食い止めるために非常に重要な材料なので、効果の高いものを使用したいです。
そこでおすすめしたいのが「一液エクセルエポプライマーJY」です。
一液エクセルエポプライマーJY
一液性のメリットは「安定した品質」で、確実な効果を発揮するために必要な成分配合が確実に行われています。特に、下塗り材が確実に効果しないことには上塗りが行えないため、早期硬化も硬化不良もどちらも好ましくありません。
一液性だからこそ、間違いのない効果が期待できるのです。
ただし、以下の条件は必ず守って使用しなければ、十分な効果を発揮することは難しいですので、規定の条件を遵守してください。
・雨・強風・結露等の悪天候及びこれらが予想される場合には施工は避けてください。 ・5℃以下、湿度85%以上での施工は避けてください。 ・使用する前に塗料を十分に撹拌してください。 ・エアレス施工の場合には塗装ロスが大きくなりますので、塗布量の上限値を目安にしてください。 ・ウールローラー施工の場合、塗回数が増えることがありますのでご注意ください。 ・上記塗布量及び塗回数は下地の材質・状態等で増える場合があります。 ・溶剤系塗料では火災・中毒等のおそれがあるため、保管・取扱いには十分に注意してください。 ・施工及び乾燥時の気象条件、金属下地の温度条件、また狭窄部(狭くすぼまった部位) やトタンの継ぎ目部分等では、乾燥硬化に時間を要してしまう場合があります。乾燥硬化していない状態で上塗を施工した場合、本来の下地への付着性能が発揮できなくなる場合がありますのでご注意ください。 |
(引用:AP ONLINE 一液エクセルエポプライマーJY)
これは、一液エクセルエポプライマーを確実に機能させるための最低条件です。逸脱した使用方法はやめましょう。
・塗装可能な下地 ・適応上塗材 ・推奨道具:ウールローラー(ASTECローラー北岳Ki2)、エアレス |
外壁塗装の下塗りの秘密:長持ちする塗装のために – 中山建装がご案内
外壁塗装では、上塗りだけでなく下塗りが非常に重要な役割を果たします。この下塗り工程は、塗装の耐久性を高め、美観を長く保持するために不可欠です。外壁の素材を問わず、塗料の密着を助け、防水や防錆といった保護効果も提供します。下塗りには、プライマー、シーラー、フィラーなどの異なる材料が用いられ、それぞれが特有の機能を持っています。
プライマーは、塗装の基本として最初に適用されるもので、塗料の密着を強化し、均一な塗り面を作り出します。一方、シーラーは特に吸収性の高い素材に適しており、素材の表面を封じて塗料の吸い込みを防ぎます。フィラーは、より深い補修や表面の平滑化に用いられ、大きな凹凸やひび割れを埋めるのに最適です。
中山建装では、これらの下塗り工程を通じて、外壁の状態に最適な解決策を提供します。それぞれの建物に合った下塗り材を選定し、最終的な塗装が最高の状態で仕上がるよう細心の注意を払って施工します。
外壁塗装に関するご相談や、さらなる情報が必要な場合は、ぜひ中山建装の問い合わせフォームをご利用いただくか、直接お電話でのお問い合わせ、またはショールームへのご来店をお待ちしております。一緒に最適な外壁塗装の計画を立てましょう。
▼合わせてチェック!▼