屋根修理のカバー工法VS葺き替え|基礎知識とメリット・デメリット徹底解説
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屋根の修理には、カバー工法と葺き替え工法があります。経年劣化をはじめ、台風や地震のような災害で、軽い補修では対応できない場合の最終手段です。では、カバー工法と葺き替えはどちらを選択すればよいのでしょうか?
適切な選択のためにも、両方の工法について基礎知識程度は理解しておきたいところです。同時にメリットとデメリットを把握することで、適切な判断ができます。
基本的にカバー工法は既存の屋根を撤去せずに重ねる工法です。一方の葺き替えは全交換をします。費用は全交換ですから葺き替えのほうが高額で、工期も長くなります。カバー工法は葺き替えと比較すると費用を抑えられまますし短工期です。ただし、屋根が重くなり過ぎると耐震性の問題が出てきます。基本的に日本瓦のように重い屋根では、カバー工法はできません。また、2度目はできないという制限もあります。
そこで今回のお役立ちコラムでは、カバー工法と葺き替えどちらを選んだほうがいいのか、その特徴やメリット・デメリットをお話しします。適切な選択をすることで、再び安心できる生活を取り戻せるのです。
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屋根修理の選択に迷っていませんか?
屋根修理にはカバー工法や葺き替えなどさまざまな選択肢があります。ただ、気軽に選択できないのはやはり費用の問題があるかもしれません。カバー工法は葺き替えよりはコストを抑えられますが、それなりの金額が必要です。
カバー工法と葺き替えどちらがいいのか?そもそも各屋根修理とはどのような内容なのか?適切に判断するためのポイントを以下でお話しします。
カバー工法とは?新しい屋根を重ねる工法
カバー工法は重ね葺きとも呼ばれる工法です。既存の屋根に新しい屋根を重ねます。
屋根は屋根材に問題があっても、下に防水シートを敷いているためすぐに問題は出てきません。ただ、最初に敷いてから一度も交換せず20年以上経過しているとどうしても劣化してしまうものです。
カバー工法の場合、既存の屋根に防水シートを貼ってから新しい屋根を設置します。以下はカバー工法のメリットです。
【屋根カバー工法のメリット】
費用を抑えられる |
既存の屋根を撤去しないためその費用がかからない ゴミの排出も少ない |
工期が短い |
屋根を撤去しないため工期は短い 工期が短くなると職人の稼働日数が短くなるため人件費を抑えられる |
防音性・断熱性・防水性の向上 |
既存の屋根に新しい屋根材が加わることで、防音・断熱・防水性が高まる |
施工の際の騒音やホコリが少ない |
既存屋根の撤去がないため施工の際に騒音やホコリの問題があまり出ない 周囲に迷惑をかけなくて済む |
アスベストの屋根にも対応可能 |
アスベストを含んだ屋根でもOK |
これらは、カバー工法のメリットです。基本的に「既存の屋根を撤去しない」ことによるメリットは多数あります。防音性や断熱性や防水性という機能面は、二重の屋根によるメリットです。アスベストが含まれた屋根も撤去せず、そのまま施工できるのもメリットでしょう。
アスベストの屋根材は撤去費用が高くなる
アスベストとは石綿のことです。平成24年(2012年)段階的に禁止されていたアスベストの使用が全面禁止されました。石綿含有量重量0.1%以上のものは、製造と輸入や譲渡の他、提供まで全面禁止です。
アスベストが問題になったのは、飛散したものを吸い込むことによる病気でした。石綿肺や肺がんや悪性中皮腫など、致命的な病気の原因になったのです。とくにアスベストを取り扱う業務に従事している方の、健康被害が問題になりました。
屋根材では2004年以前の波型スレート屋根に、アスベストが使用されています。2004年から2024年現在までは、20年程度しか経過していません。つまりまだアスベストが含まれた住まいは多数あるのです。建材に使用されているアスベストは、素材に含まれているため飛散リスクはありません。壊れない限り、アスベストの飛散はないのです。
ただ、葺き替え工事では既存の屋根を撤去が求められます。その際、アスベストの飛散リスクがあるのです。吸い込めば作業員だけではなく、周辺に住む方にまで多大な迷惑をかけることになります。
そのためアスベストの建材を取り扱う際には、有資格者が必要です。アスベスト診断士や建築物石綿含有建材調査者が求められます。他にも、アスベストが飛散しないように、封じ込め対策をしなければなりません。当然、手間がかかるのです。
カバー工法は既存屋根の撤去は要りません。アスベストが飛散するリスクがないため、費用を抑えられるのです。
参照:ベリーベスト法律事務所 アスベストはいつから使用禁止に? アスベスト被害の歴史
【カバー工法のデメリット】
耐震性に注意が必要 |
重心が高くなるとバランスが悪くなり耐震性の低下につながる |
瓦屋根への施工はNG |
瓦屋根はカバー工法が使えない 瓦は波型の形状や厚みや重量が問題になる |
劣化がひどいならカバー工法でも無理 |
劣化がひどい状態なら葺き替えのほうがいい |
これらはカバー工法のデメリットです。とくに重量には注意しましょう。
建物は重心が下にあると安定感があります。逆に上に重心があると、バランスを崩しやすいのです。たとえば昭和の頃は、屋根の棟に葺き土という土が使われていました。
葺き土があることで、重量が増し、台風のような強風でも瓦が吹き飛ばなかったのです。ただ関東大震災、関西では阪神淡路大震災で衰退しました。
大地震で多くの建物が倒壊し、瓦も多数落下したことが理由です。そのため屋根が重くなってしまい、葺き土は消えていきました。屋根瓦も波形の形状や重ねることによる重量の問題で、カバー工法はできません。また、一度カバー工法をしている場合もできないのです。強引に施工すると地震の際、安全性の面で不安が残ります。
また、劣化が激しいなら葺き替えのほうがいいでしょう。屋根の下には下地となる、野地板や垂木などがあります。その下地が雨漏りにより劣化しているようなら、カバー工法をしても意味がありません。下地の劣化がひどければ、少々の修繕では対処できないからです。下地から作り直さなければならない状況は、葺き替え工事とほとんど変わらずコストがかかります。
葺き替えのメリットとデメリット
一方の選択肢である葺き替えにもメリットとデメリットがあります。
【葺き替えのメリット】
新しい屋根になる |
下地も新しくなるため屋根全体が生まれ変わる |
メンテナンスも減る |
メンテナンス頻度も減る |
屋根材に左右されない |
全交換のため屋根材を問わない |
防水シートも新しくなる |
防水シートも張り替える |
これらは葺き替えの大きなメリットです。屋根を全交換するわけですから、まさに生まれ変わるといってもいいでしょう。どんなに屋根が劣化していてもすべて解決します。金属屋根の場合、サビが広がっていても解消可能です。苔や藻やカビといった生物的な汚れも解決します。
外壁塗装を何度もしなくてもかまいません。メンテナンスに対し当分気を使わなくても済むのです。その他、大きなメリットは防水シートの交換でしょう。
防水シートは雨漏り予防の最後の砦です。防水シートの寿命は20年程度ですから、過ぎると交換が求められます。屋根材は劣化していないように見えても、防水シートが激しく劣化していることはあるのです。その防水シートも葺き替えで新しいものに交換できます。屋根に限らず、建物全体の寿命が伸びる助けとなるのです。
【葺き替えのデメリット】
費用は高い |
全交換のため費用は高くなる |
工期は長い |
工期も長くなる 人件費も高くなる |
葺き替えのデメリットは、費用関連です。既存の屋根を撤去しなければなりません。人手も必要ですし、下地の交換もします。屋根の葺き替えは大規模リフォーム工事といってもいいでしょう。
既存の屋根にアスベストが含まれていると、取り扱える資格者が必要です。撤去には通常の屋根よりも気を使わなければなりません。アスベストが飛散しないための対策も必要です。
工期も長くなります。屋根の大きさや形状にもよりますが、一般的に2週間~1か月はかかると考えてください。工期が長くなると、作業員への人件費も高くなります。その分、トータル費用が大きくなるのです。
一般的な2階建て戸建てだと約100万円以上はかかると考えてください。屋根材によっては150万円〜200万円かかります。とくに高額となるのは、瓦から瓦への葺き替えです。費用だけを見るなら、スレート瓦や金属製の屋根材の他、アスファルトシングルなどは抑えられます。
カバー工法を控えたほうがいい事例
カバー工法は費用を抑えられて、工期も短いという大きなメリットがあります。ただし、20年以上住み続けるつもりなら葺き替えのほうが適しています。葺き替えは新しい屋根にできるため、耐用年数が長くなるからです。
検討時点、目の前の問題を解決するだけならカバー工法を採用してもいいでしょう。ただ、長期的に考えるなら葺き替えのほうが安心感はあります。他にも近い将来増改築をするつもりなら、カバー工法は向いていません。
カバー工法をした場合、増改築をする際に修繕した屋根でもはがす必要が出てくるからです。そのためコストが余分にかかります。これらの点も含めて葺き替えにするかカバー工法にするか慎重に検討してください。
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カバー工法で施工費用が高くなる要因
屋根カバー工法は費用を安く抑えられるのですが、金額が高くなる要因はあります。その要素とは「屋根材や防水シートのグレード」「屋根面積の広さや特殊形状」「足場の設置状況と運びやすさ」です。屋根修理の方法として、カバー工法か葺き替えにするかの判断材料になります。なぜ費用が変わるのか以下でくわしくお話しします。
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屋根材や防水シートのグレード
屋根材やグレードの高い防水シートを採用すれば、費用は高くなります。屋根材は一般的に粘土瓦と銅板や天然スレートが高額です。次にガルバリウム鋼板、セメントやコンクリート瓦が続きます。アスファルトシングルやトタンは、屋根材の中では比較的リーズナブルな部類です。
また、防水シートはグレードが高いものほど高額です。グレードが高い分、耐久性は高くなっています。ただ、屋根材も防水シートも費用だけで決めないほうがいいでしょう。理由は耐用年数が短い分、交換サイクルが早くなるからです。製品価格だけではなく、施工費もかかってくるのは無視できません。その点も含めて慎重な選択が必要です。
屋根面積の広さや特殊形状
屋根の面積が広いか特殊形状なら施工費用は高くなります。一般的に2面で構成される切妻屋根より4面で構成される寄棟屋根のほうが高額です。複雑形状の特殊な屋根も、施工に手間がかかります。カバー工法か葺き替えかを考える際は、その点も考えて見積もりをチェックしてみてください。
足場の設置状況と運びやすさ
カバー工法でも葺き替え工事でも、足場を組まなければなりません。基本的に建物の階数が大きくなるほど費用は高くなります。平屋より2階建て、3階建てになると面積も広くなりますし、その分、足場を多く組まなければなりません。
その他、建物周辺の道路が狭く、奥まっているなら足場を運び入れる時間も手間もかかります。その分、費用が高くなるのです。
屋根修理やカバー工法と葺き替えも中山建装にご相談ください
中山建装は厚木市の地域密着の外壁塗装・屋根塗装・雨漏り工事専門店です。厚木エリアでは7000件の施工実績を誇ります。ショールームを完備しており、施工実績情報の他、屋根材や外壁材のことをゆっくりご相談いただけます。
カバー工法や葺き替え工事も費用は安くありません。ただ、劣化した屋根は雨漏りにつながる重大なトラブルです。劣化が進めば野路板や垂木の他、防水シートのような下地までボロボロになります。その状態になると、カバー工法より葺き替えという選択しかありません。
「そういえば屋根のメンテナンスをしていない」と感じた方もお気軽にご相談ください。中山建装へのご相談はホームページの問い合わせフォームで承っております。その他、電話やメールやショールームでもお気軽にご相談ください。
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